キリンのブログ

くびのながいどうぶつ

とあるマイナーゲームに関する記録① #スカガレ

 

 

 intro

我々ソーシャルゲームプレイヤーが恐れてやまないものがある。

 

それは「サ終」

いわゆるゲームのサービス終了である。

 

共に戦い抜いてきたキャラクター

血反吐を吐いて集めたアイテム

かけてきた金額の証

 

多くのソーシャルゲームはサービス終了後アクセス不可となり完全に記憶、記録の中だけに残る”思い出”に形を変える。

 

ウン十年前のファミコンソフトはまだ遊べるのについ数年前のスマホゲームが二度と遊べない。その事実がどう考えたって儚すぎる。

 

2016年に惜しまれつつもサービス終了したゲーム「蒼穹のスカイガレオン」

もう平成も終わろうかというほど時が経っているのに忘れられなかったあのゲーム。

 

それを復活させるために影で尽力した男達がいた。

 

私の把握している限りのことをネットの隅にでも書いておきたいと思ったのでここに記録を残す。

 

 

また、初めに断わっておきますがこの記事ではゲームの内容についてほんの少ししか触れないつもりです。

中身が気になる方はスカガレ ブログで検索してネットの海を平泳ぎでお探しください。

 

 

  チャプター1  :  一人目

  サービス終了から1年2ヶ月が立った2017年の8月。

当時のプレイヤー達はかろうじてつながりを保っていた。

 

マビノギデュエル」や「チェインクロニクル」「シノアリス」「セブンナイツ」「ブラウンダスト」など移住先を見つけてはそこで同窓会ギルドを立てる日々。

 

しかしスカイガレオンの独特なゲームシステムと同じ味がするゲームなどない。

その面影を追うガレオニスト達が満足することは一向に無かった。

 

「またスカガレが遊びたい、あのデッキあのキャラが好きだった」

いつか見たようなぼやきばかりが定期的にTLを流れていく。

 

そんなある日、我々の呟きに関心を示した人物がいた。

Unityゲーム開発者のT氏である。

彼はサービス終了後ここまでユーザーに愛されているスカイガレオンに興味を持ち自分のゲームとして落とし込めないかと考えたのだ。

 

T氏は当時のゲームがどんなものだったのか、Twitter上で情報の提供を呼びかけた。

 

その時手を挙げた数人の一人が私だった。

私はとてもではないが強いプレイヤーでは無かったがそれでもこのゲームが好きだった。

 

大大大好きだった。

 

そして私が氏に送り付けた怪文書とも呼ぶべき文章は計3000字に及ぶ。

 

この異常な熱がお分かりいただけるだろうか、あの狭いTwitterのDMに3000字。今読み返してもおぞましい。

 

 

f:id:kirin_rib8:20190417002420j:image

この文量があとスクショ6枚程にわたって残っている。いや怖いわ。

この場を借りてT氏には謝罪いたします。

 

 

そんな熱が伝わったのか伝わらないのか、T氏と我々ゲームの亡骸に取り憑いた亡霊たちによるスカガレ復活作戦が始まった。

 

とはいえT氏からすればやったことも無いゲームを再現するというミッション。

スカイガレオン自体がマイナーゲームであるため残っている動画もわずかである。

 

そのため元プレイヤー達がスクショを掘り出し、wikiに残っているデータと朧気な記憶からゲーム内での挙動を伝え、それをT氏がUnityを用いてプログラミングするという形で作業が進められた。

 

待ちに待った復興のチャンスではあったが我々に手伝える作業は地道なデータ入力とT氏への情報提供のみ。

他に出来ることといったら、アナーヒターやらオニャンコポンやらに祈りを捧げるくらいのもので、またもどかしい日々が続いた。

 

 

翌2018年5月、スカガレ復活を志したそのアプリはタイトルを「マスカレードAI」とし、β版のリリースと同時にトーナメント式の大会まで行われるほどには形になっていた。

これを99%個人で成し遂げたT氏には惜しみない賞賛を送りたい。

また同氏の作であるAI構築対戦バトルゲーム「マリオネットAI」はすこぶる神ゲーであるうえ、現在もストアでリリースされているため買うことを強く薦める。

イラストやBGMは版権フリーのものを使用し、荒削りではあったが目立ったバグもなく対戦が行えたのはT氏の緻密なプログラミングあってのものだろう。

 

ここまでなんとか順調に進んできたマスカレードAIであったがここで外野より思わぬトラブルをくらい開発を中止することになる。

元々スカイガレオンを運営していた会社に動きがあったのだ。

 

次回、チャプター2 : 二人目